2019年6月9日日曜日

本気で何かに打ち込んだのは、研究が初めてであった。

新メンバーが研究をスタートさせて3ヶ月。みんな自分で議論をしながら研究を進めている。

自分の人生を振り返ると、研究をスタートさせてからが、やっと本気になれるものが見つかったという気持ちだった。



大学に入るまでも勉強も頑張ったし、大学に入ってからも講義には真面目に行く方だった。1〜3年生の間は図書館に行きまくって勉強をしていた。「大学ってもっと楽しいところのはずなのでは?」とぼやきながら大学生活を送っていた。

卒業研究は、理研に外研に行っていた。ただし、ここでは単なる練習に近いものだった。なので、大学院に進学してからが本当の研究のスタートとなった(この時に学部生だからと練習させられて嫌だった経験から、自分の研究室では学部生でも自分のテーマで研究をすることにしている。)。

大学院の研究生活は、それはそれは大変なものだった。気が狂いそうになった、というよりは狂っていたという方が近いかもしれない。D1の時には1年間のうち360日くらい研究室にいたが、これは大失敗だった。。また、論文もなかなか通らず、本当に苦しい日々だった。

D2くらいで論文が通りはじめ、研究は順調になったが、それでも日々は失敗の連続。そして、研究に終わりはない。D3の最後の5ヶ月は、今思っても劇的に研究が進んですごかったと思う。卒業間際の3月に体調を崩したのだが、3月31日まで実験をしていて、4月に新しいラボに移ってからしばらく咳が止まらなかったことを覚えている。それくらい大変だった。

とはいえ、こうして本気で何かに打ち込めるというのは、研究が初めてであったと思う。

受験の偏差値も大学の成績(GPA)も、もちろん目標にはなるけれど、人生をかけるものかと言われるとやはりそうはならない。

それに引き換え、研究は広がりを見せていく。基礎でも応用でもよいのだけれど、意義のある研究というものは、本気で人生をかけられるものだと思っている。

うちの研究室では、光合成をする微細藻類の代謝や転写の基礎研究を行なっている。また、バイオプラスチック原料の生産に向けた代謝工学を行なっている。

しかし、これは外向けの話であって、実際にはもっといろんなことをやっている。最近、みんなが頑張って研究がどんどん進んでいる。結果を見ると「これ世界を変えられるのでは?」と、どんどん夢が広がってしまう。なので、本当に研究が楽しいフェーズに入ってきた。

ただし、実験がものすごく大変なものであることにかわりはない。上の自分の大学院生活でもそうだけれど、オーバーペースだと体調を崩してしまうので、気長に自分のペースでやって欲しいとは思う。

長く研究を進めていると、自分の人生を振り返った時に、「研究をしていた時って本当に充実していたな」と感じるのではないかと思う。自分のペースを作って、継続的に研究を頑張ってほしいと願っている。

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