2019年3月22日金曜日

寿司と研究者

先日は、ランチで寿司屋へ。チェーン店的な寿司屋である。

いつも行っている店なのだけれど、この日はたまたまなのか、いわゆる「ホール」を担当する人がいなかった。ホールとは、料理の注文をとったり、料理を出したり、片付けや会計をする人たちである。要するに、料理人以外の人である。

この日は、寿司職人の人しかいなかったで、店は大混乱だった。追加注文などをしたいところだったが、いつ出てくるかわからなそうだったので、早々に店を出た。

そこかしこで、注文がこないと言っている。会計時に「結局あの品はこなかった」と言っている。さらに会計時にもシステムを扱うことができずに止まっていた。

寿司屋なのだから寿司職人が一番大事に思ってしまうが、こうして職人だけでやると店が廻らないことがよくわかった。

そしてこれは、研究現場にも言えると思う。

研究の現場にいると、事務方を下に見る発言をしばしば聞く。研究者は任期付きで非常につらかったりするし、大学によっては恐ろしくサボっている人もいる(研究系だっているが)。なので、つい事務方に当たる発言をしてしまう。

しかし、実際に事務方の動きは見えないことが多い。商品を発注して伝票が届いても、それを処理するところは見えない。研究をするには、予算の契約から遺伝子組換えの登録、健康診断など非常に多くの事務手続きを必要とする。出張に行っても多くの事務処理を必要とする。

これらの作業が見えないと、つい「研究者だけでいいのではないか?」と思ってしまうが、実際には上の寿司屋のような状態になってしまうだろう。

自分の研究室では、こういう事務的な作業も学生に体験をしてもらうことがある。学会に行くときには、申請書や要旨などのコピー、領収書の提出などをすることになる。はじめのうちはうまく手続きができなくて、たいてい苦戦する。

しかし、こういう体験をすることで、実際には見えないところで仕事をしてくれている人がいることを実感するのである。これも社会人になるための一歩だと思っている。

ということで、休日に寿司を食べたが、ちょっとかわいそうな状況ではあった。何事もシステムを整えることが大事で、裏方への感謝を忘れてはいけないと痛感した次第であった。

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