2022年5月14日土曜日

追記:研究者必読。サイン1つで全研究成果が盗られます。

昨日のツイートで広がっていたブログの続き

悪質なビジコンについて。



大学生(学部生)が勢いでビジコンに参加してしまっている例を目にしてしまったので、ツイートしておいた。


前のブログで書いた通り、サイン1つで、全ての研究成果を譲渡したことになります。本当にサイン1つ。


さらに、出場して受賞したりすると、出資を受けられるとなることもある。出資は賞金ではなく、会社に資本金としてお金を入れること。投資。会社にお金を入れてもらう代わりに、株を渡すことになる。


やったー、受賞だ!出資だ!と思うかもしれないけれど、そうすると、幾許かのお金の代わりに株を譲渡することになる


となるとどうなるか。


気づいた時には知財が取られ、株を取られる。


さらに株を譲渡したことで、取締役が乗り込んでくるかもしれない。最初は、経営のプロが入り、会社がどんどん大きくなる!と喜ぶかもしれない。


しかし、もちろんその人たちにも給料を支払うことになる。


2000万円の出資を受けました!となっても、その人の年収が1000万円だったら、2年(正確にはもっと短く)で全てなくなる。


そう、つまり出資を受けて一時的に会社にお金が入ったとしても、そのお金すら「経営のプロ」と称した取締役に給料を取られていくだけかもしれない。


ということで、何1つ残らず、会社を続けざるを得ないか、会社を終わらせることになる。


ビジコンを主催した企業は、コンサルなどの外部に運営を委託していることが多い。外部の運営は、ビジコン主催企業から運営を受注してお金をもらい、参加者からは知財をタダで吸い上げて主催企業に「納品」する。表向きは社会を変えるとか掲げているけれど、実はそれが主目的である。


そして、上記の通り、受賞企業に取締役などを送り込めれば、賞金として出した出資金すら給料として回収できる。


さらに、万が一会社が急成長すれば、株も持っているし大儲け。会社を成功させた「経営のプロ」として売り込める


このように、ビジコン参加者が上手くいったときはもちろんのこと、参加者が駄目でも、ビジコン主催から受注して知財の納品を完了し、場合によっては出資金を自分たちの給料として回収する。


こんなスキームが描かれている。なかなか見事なスキームだと思わないでしょうか。


ベンチャーだ!と勢いづいて会社を作ったりコンテストに参加するのは良いけれど、はたしてこういうのを知っている人がどれくらいいるだろうか。


で、これを見破るのはかなり至難の業。自分の時も、大学の知財と外部のメンター(コンサルティングなどのプロフェッショナル)に書類を見せたけれど、即おかしいとはならなかった。


「ん、あれ、なんかこれおかしい・・・」


となり、みんなで冷静に1日くらい経った後に、これやばいとなった。それくらい見破るのが難しい。


ということで、未経験、初挑戦とかだと絶対に騙されるはず。ぜひお気をつけください。


追伸

前に書いたリバネスさんのアグリテックグランプリとか、CIC JapanさんのESG Tech Battleとかのコンテストはちゃんとしています。あと、自分が1年間お世話になっていたKSPさんも。

そちらの方々とこの話をしても

「え、そんな悪質なことしますか・・・?」

(規約を見せる)

「いや、するんだ・・・」

(検索する)

「割とそういうビジコンあるんだ・・・」


みたいなリアクションになるので、プロでも油断すると引っかかる可能性があります。くれぐれもお気をつけを。自治体とかNEDOとかJSTとかが入っているのは一般的には大丈夫なことが多い。「有名企業だから」は当てにならない。




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