2019年12月2日月曜日

考えるテクニカルスタッフで研究室運営

うちの研究室は、テクニカルスタッフ(テクスタ)が主体で研究を進めている。



現在、テクスタは3名。ポスドクが1名だが、そのポスドクは理研時代はテクスタで、現在も時短勤務なので実質的にはテクスタに近い。
研究室HP

理研でさきがけの予算を獲得して以来、テクスタを雇用している。理研時代はPIではなかったのでポスドクを雇用するという選択肢はなく、テクスタ、派遣職員、パートタイマーなどを雇用していた。

明治大学に異動してから、明治大にはテクスタとパートタイマーの区分がないので(全員月給制)、名目上は一括でテクスタ(正式には研究補助者・・だった気がする)と呼んでいる。

さきがけがスタートしたのが2011年でそれ以来人を雇用して研究をしている。もう8年くらいが経った。

この8年くらいでも、テクニカルスタッフの役割はかなり変わってきた気がする。

理研ではビックプロジェクトが多かったせいかもしれないが、ひたすら手を動かすというポジションの人もいた。言われたことをひたすらこなす業務である。もちろんそれも大事かもしれない。

しかし、結局は、どのようなポジションであれ、自分で考えて、自分で学んで、自分で手を動かせる人でないと生き残っていけないことを知った。

特に最近は、色々なものをアウトソーシングでできるようになっている。また、うちの研究室では、1つの実験作業をルーティーンでずっと廻しているものは少なく(少しはある)、状況に応じて色々と計画を変更していく。そうすると、外部委託してしまった方がコストもスピードも労力も削減できる機会が増えてきた。

なので、アウトソーシングでできないことを任せることがどんどん増えてきた。できたばかりの新しい技術は学んで試してみなければいけない。また、既存の技術だって対象が変わればそれに合わせてカスタマイズしていかなければならない。こうした柔軟性に富んだ仕事をお願いすることが本当に増えてきた。

ということで、年々テクニカルスタッフの仕事は手を動かすよりも考えることの割合が増えている気がする(もちろん、日々繰り返す実験が大事という大前提は変わらない)。

今年はスタッフ4名体制で動いているが、とても良くシステムが動いている。ということで、学生を除くとうちの研究室はテクスタで廻っている珍しい研究室かもしれない。

ただし、デメリットとしては、論文作成はもちろんのこと、研究報告、特許相談、外部研究者との会合、国内の学会発表ですら自分がやらなければいけない。アウトプットが自分に依存してしまっているところが現在の課題である。

今後はエースのIくんにも加担してもらってアウトプットのところを増やさなければと思っている。

また、スタッフは任期制なので、研究費を継続的に獲得しなければいけない。これがとてもすごいプレッシャーである。。幸運なことに現在はうまくいっているが、続けるのはとても大変である・・・。

いずれにしても、こうした体制を継続するために常に研究成果が形になるように、必死に計画を考えて、トライアンドエラーで行動する日々である。




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