2019年12月15日日曜日

査読終了だが、出版社のビジネスモデルに異議あり!

昨日は、海外のグラント審査と論文の査読で1日が終わる。大学業務ではないし、自分の研究でもないので完全にボランティア業務である。。

ちなみに両方とも無給である。

海外グラント審査の場合は、有給のこともあるが、無給の場合もそれなりに多い。

論文の査読は無給である。

こちらも何度も書いているが、学会が発行する科学誌ならば無給でも仕方ないと思うが(本当はそれでも対価を支払った方が良いと思うが)、単にビジネスとして出版業を行っている商業誌のために研究者が無給で編集や査読をしているのはおかしいと思っている。

読者からだけお金を取る場合もあるし、著者からだけお金を取る場合もあるが、基本的なモデルは上記の通りである。

出版社側は、著者からお金を取り、無料で編集・査読をしてもらい、また、読者からもお金を取るというビジネスモデルである。最近はWeb出版も多いので、やることといえば少しの連絡業務と最終校正である。

しかも、最終校正を人件費の安い国に丸投げし、めちゃめちゃな校正をさせることすらある。名の知れた出版社である。

こうしたビジネスモデルでも、研究者は論文を発表していかなければ評価されないし、研究をしたことにならないので、論文を発表する。一般の人にはあまり関係がないので、さほど問題にならないが、海外では査読のボイコットが起こるなど、それなりに問題になっていることである。

これまでは論文をガンガン出すために、お金のことではなく最適な雑誌を選んでいた。しかし、今年は商業誌を減らして、学会誌または著者からお金を取らない雑誌に発表している。

ちなみに一般的な雑誌では、1回の出版で日本円で5万円程度かかる。オープンアクセス誌という著者だけがお金を払うモデルだと大体20万円から25万円もかかるのである。中には70~80万円という法外なものもある。

本学では教員や大学院生に海外出版補助制度があり、年に1回or2回使えるので、その制度を2回使って今年はオープンアクセス誌に2報発表し、あとは著者がお金を取られないエルゼビア社の雑誌に2報発表した(ちなみになぜかエルゼビア社だけが叩かれるのだが、他の出版社も大して変わらない気がするのだけれど・・)。これによって今年はかなりの研究費の節約できた。

ということで、査読などの依頼が来たら受けることももちろんあるが、最近は断ることも増えてきた。それよりも、商業誌を出している出版社は、査読、編集者に対価を支払うべきだと思うのだけれど。

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