うちでは微細藻類の基礎・応用研究を行っている。主にバイオプラスチック原料となるコハク酸や乳酸などの生産法の開発を行っている。
また、酵素の生化学や転写・光合成の制御メカニズムも改名も主要テーマである。もともとは、分子生物学分野の出身なので、10年前まではこちらが完全に主要なテーマであった。
1つ研究が進めば色々な広がりを見せる。そして、あれもこれもやりたくなってしまう。
しかし、研究の成果は形にしなければ、科学の成果として認められない。形にするとは、主に論文や特許である。分野によっては学会発表だが、バイオ系だと学会発表だけだと微妙な場合もある。
こうした形にするには、色々な実験で検証を行わなければならない。再現性を調べるのはもちろんのこと、Aという試薬を入れたらバイオプラスチック原料が増えたからと言って、「Aが効きました。以上」と論文が書けるわけではない。
◯本当にAが効いたのか?加えるという操作によって増えたのではないか?
◯Aの中のどんな成分が効いたのか?
◯細胞がどんな状態の時にAが効くのは?
◯Aが効くメカニズムは?
◯これまでBという試薬を入れても増えることが知られているが、相乗効果はあるのか?
などなど、1つ結果が出ただけでも、無数の疑問が生まれてくる。全てはできないにしても、これらを検証しないで、「なんか増えました!」では残念ながら世の中に出せないことが多い。
ということで、1つの成果を世に出すだけでも膨大な時間がかかる。
なので、楽しそうなことに次々と手を出してしまうと、面白そうなことが分かったとしても、全然世に出ないということになってしまう。こういうのにはまってしまい、成果が挙がらないことは割とよくあることである。
好奇心でついついいろんなことをやりたいのだけれど、常に仕事がコンプリートする時期を考えていかなければいけない。自戒の日々である。
0 件のコメント:
コメントを投稿