ちょうど来年度の国際学会と3月の農芸化学会の要旨の締め切りが重なっている。なので、毎日学会要旨の添削をしている。添削祭りである。。
要旨の作成は本当に難しい。
自分では相手に分かるように書いているつもりが、実は全然言葉が足りない。
なぜかというと、本人はいろいろ勉強しているし、何よりも実験をしている。なので、単に培養していると書いても培養している光景が目に浮かぶ。しかし、読者は培養していると書かれても、どのくらいのスケールで培養しているのか?試験管なのかフラスコなのか?温度や光、湿度、CO2などはどうなっているのか?など、全然わからない。これらが関係なければ良いが、ほとんどの場合、培養条件はとても大事なパラメータになっている。
かと言って、要旨なので、全てを書くわけにはいかない。多過ぎず、少な過ぎず、バランスよく書くのがとても難しい。多くの場合は説明不足になっている気がする。
また、勉強をしないと書くことがなく、そうすると同じことを繰り返して書くか、ものすごく一般的なことを書くことになる。この遺伝子を研究すれば病気の治療に役立つかもしれないとか、将来的に環境保全に役立つとかである。
これらのバランスや具体性を指摘しながら、文章を直していく。なかなか大変な仕事である。
でも、こうしたことをやっておかないと、会社に入ってから自分の仕事をうまく説明できないということにもなる。同じ部署の人には分かってもらえるが、少し離れた人になると説明ができない・・ということになる。誰でもできそうなものだけれど、実はかなり難しい。
学会や論文を通して、こうした説明の練習をしていく。科学のことだけでなく、仕事の練習でもある。会社によると思うけれど、会社に入ってから鍛えるなんて、そんなに甘い環境は今時少ないと思うので。
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