2019年7月21日日曜日

参議院選挙で考える科学技術への興味のなさ

本日は参議院の選挙の投票日。いつかのように郵政民営化か反対かといった極端な選挙ではなく、極端に大きな争点というのは見当たらない。

科学技術政策については毎回見ているが、正直、あまり興味を持たれていない印象を受ける。

今回の各党の科学関連の政策を見ても、原発、廃棄プラスチック、新エネルギー、CO2削減、iPS細胞といったいわゆるトレンドのキーワードが並び、理想論が並んでいる。

投票の前だけ研究者支援の話も出ているようだが、事業仕分けなどをやって潰してきた人たちが、今になってこんなことを言えるとは、もう悲しくすらなってくる。学会参加費の控除という凄まじくどうでもいい公約もあった。

やはり科学技術については、一般的に興味を持たれていないというか、よくわからないのだなという印象である。

科学技術政策でどの分野に重点を置くかは議論があるに違いないが、やはり人の安定雇用が最重要であると思う。

個人の意見であるが、科学予算における人件費の割合を上げ、超高額の設備に予算が消えてしまうプロジェクトのようなものを減らしていくのが一番よいと考えている。

某研究所にいた時は、数千万円から1億円を超える機器が導入されるたびに、「この予算があったら何人雇えるだろう」と思っていた。必要不可欠なものは仕方ないと思うが、人に使った方が成果が挙がるのは間違いないと思う。人がいなければ機械は動かないし、超高額機械は取り扱いが難しく、コストもかかるので、効果的に動かすことが難しい。

選挙で科学技術政策を見るたびに、理想論ばかりで全然現場感覚と異なっているので、本当に悲しくなる。そうはいっても投票はしなければならないし、現場の人間として科学技術を発展させたいと考えている。

最近はツイッターなどでダイレクトに研究者の声を聞いてくれる政治家も現れているし、投票もさることながら、色々な方法で科学を伝えていかなければならないのだと感じている。今週はプレスリリースも準備しているし、わかりやすい形で科学を広めていかなければと考えている。


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