2018年1月7日日曜日

【重要】原著論文の書き方 〜No.2〜

生物系の原著論文の作成手順を考える「原著論文の書き方 〜No.2〜」である。

とりあえずファイルの命名規則や共有法を決定し、FigureファイルをPowerpointなどで作るところまでがNo.1(手順1、2)であった。その続き。

論文作成手順3. Introductionを作成するために、論文を集めて要約する。
Figureのファイルとともに、Mansuript(本文原稿)のファイルを作成していく。当研究室ではWordを用いている。

タイトルページなどはタイトルや著者名などが変わるだけなので、まずは研究室のテンプレートとなるWordファイルをもらい、それを自分の論文ファイルとして、命名規則に従ってファイル名をつけて共有・更新していけば良い。

本文でまず作るのがイントロダクション(序論)である(もちろん要旨から書いても構わない)。

イントロダクションの作成が最も大変な作業の一つである。

自分の関連する研究がこれまでにどれくらいあるのかを調べ、それらの知見をすべてフォローしなければならない。そして、それらの研究をフォローした上で、「まだ分かっていなことがある」ので、研究をスタートさせるのである。これが本来の研究のスタートである。

ただ、こんなことをすべて分かって研究を始める学生はいない。研究をスタートさせながら、自分の分野の最先端・未踏領域がどこにあるのかを学んでいくことになる。これは簡単なことではなく、修論発表ですらそこにたどり着かずに終わる場合も多い。

このように、まずイントロダクションを作成するには、膨大な論文を読まなければならない。ただし、コアとなる論文はすべて読むべきであるが、論文によっては斜め読みでよい場合も多い。

そして、1つの論文を読んだら、それを1文か2文の英文にまとめる(できない場合は日本語文でもよい)。そしてReferenceにその論文を追加していく。

10個の論文でこの作業をしたら、10~20個の文章ができているはずである。これらを意味が通るように並べ替えたり、段落分け(パラグラフ分け)していけば良い。

このようにしていけばイントロダクションができていく。いきなり白紙の状態から「さあイントロダクションを書きましょう!」と言われると手につかないが、論文を読んでそれを1、2文に要約するのならば、ゼミで文献紹介するよりも簡単なのではないかと思う。

注意点としては、
1. あくまで論文の内容を1、2文にまとめるのであって、論文から1、2文をそのまま抜き出すのではない
2. 誰かの論文(特に自分の研究室の論文)のイントロダクションをそのまま真似してはいけない。参考文献の順番などがそっくりなのですぐにバレる。
3. 参考文献が総説(Review、まとめ)ばかりになってはいけない。原則は原著論文を引用する。

である。このイントロダクションの作成がかなり大変であり山場の一つとも言える。



上で述べたが、イントロダクションで論文を引用するとともに、Referenceリストを作っていく。Referenceは、はじめはアルファベット順に作っていくと良い。番号順で作ると、あとで直すのが大変である。

参考文献作成ソフトを使えば一発で直せることになっているのだが、オススメはあまりできない。使ったことがある人は知っているはずだが、ものすごくバグが多い。このバグを取り除いで、論文を直すのだけでも一苦労で、むしろ自分で書いていったほうが早いことが多い。

No.3に続く。

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