レポートの書き方 No.3は「材料と方法」について
前の記事でも書いたが、2年生以降ならば
1. 要旨
2. 序論
3. 材料と方法
4. 結果
5. 考察・議論
6. 引用
これらに加え、図や表、その説明文を加える。今日は、材料と方法についてである。
まず最初に材料について書く。材料とは、使った生物の名前、試薬、器具・装置などである。
生物については、さすがに科学のレポートであるため、学名を調べて併記した方がよい。
大腸菌と書くだけではなく大腸菌(Eschechiria coli)などである。また、それぞれの生物には「株」というものがあり、同じEschechiria coliでも単離場所の違いや長年に渡る培養やの結果で名前や番号がついていることがある。実習でそれらが明記されている場合は、これも併記する。
試薬について必須なのは、必ず試薬の濃度を記載することである。質量%濃度やモル濃度で記載する。
モル濃度についてはぜひ復習しておいてほしい。molは物質量であって濃度ではない。mol/L = Mである。すっかり忘れている人も多いので復習は必須である。一般的には後者のM, mM(ミリモル)などで記載し、mol/Lなどとは書かない。
また、単位の前は半角スペースを空ける。これが鉄則である。
例
20 mM NaCl
5 g/Lになるように食塩水を調製して・・・
ただし、%と℃の時は空けなくて良い(高校の教科書だと空けていることもある。どちらでもよいが一般的には空けない)。
また、カンマ,やピリオド.の後も必ず半角スペースを開ける。
器具や装置についてはそのまま記載すればよいが、プロトコールとして配られたプリントに記載された器具や装置と実際に使った器具や装置が異なることがある。
これは実際の研究でも起こりうることで、いつもすべての器具や装置が使えるわけではない。故障していたり、予約が取れなかったりしていつもと違うものを使うことも頻繁にある。
そのような時に実験ノートに記載しておかないと、しばらくして違う結果が出た時に「何が原因だろう?」と考え込まなければいけなくなる。逆に、「装置を変えることで違う結果が出たので、自分の実験には◯◯が大事である!」と発見につながることすらある。
配布された文章をそのまま写す人と、自分で考えて記載する人ではかなりの差が出ると言って良い。この部分はぜひ自分で使ったものを記載することが必要である。
ということで、材料と方法について「プロトコールをうつせば良い」と考えているかもしれないが、他の人と差がつくポイントがあるので注意が必要である。
No. 4に続く。
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